ルアノ地区にさらに井戸を掘削しました

「ルアノの人々の健康と生活を守る5本の井戸」

ザンビアは雨季に入りました。雨を待っていた村人たちは種まきに大忙しです。
ルサカで2度目の本格的な雨の翌日、12月12日に山元先生、コミュニティーヘルスワーカーのシバンダ氏と櫻井で、今年6月に掘った2本と11月に掘った3本、計5本の井戸を見に行ってきました。
雨で道が通れなくなっていないか心配でしたが、まだルアノ地区にはそれほど降っていないらしく、道中は問題ありませんでした。

5本の井戸のうち4本は、村人の手で木の丈夫な柵が完成し家畜などの侵入を防いでいます(写真①)。1本は柵の制作が途中でしたが、柵の無い2m程の部分にはトゲのある枝が置かれて家畜は入らないようになっていました。
 今回見つかった問題点はコンクリートの排水路の出口です。
11月に掘った内の一本は、出口に1m四方で深さ1.5m程の穴を掘り中に大きな石を入れて、水が全てそこへ落ち地中に吸収されるようになっておりとても衛生的です(写真②)。他の4本は、排水を誘導するように地面に溝が掘られたり、石が置かれたりしていますが、雨が降って周囲がぬかるみになると大きな水たまりとなり、マラリア蚊の温床となってしまいます(写真③)。
ということで、深穴を掘って石を入れる方式を採用することにし、それぞれの井戸の地区のヘッドマンに写真を見せて説明し、同じように作ってくれるようにお願いしました。
 11月に新たに掘った3本の井戸では、シバンダ氏から村人に正しい井戸の使い方を説明してもらい、井戸で洗濯をしないこと、井戸の周りにゴミなどを捨てないこと、家畜を井戸のそばに連れてこないこと等を村人に伝えました(写真④⑤)。雨が降り始めて種まきに忙しいため参加者は少なかったものの、みな真剣に耳を傾けていました。

 既に水質についてはWHO(国連世界保健機構)の飲料水基準を満たしていることを確認していましたが、念のためヒ素の検査もして問題ないことを確認しました。

 頑丈な柵を井戸の完成後すぐに作ったことや、付近をきれいにしようと掃除している姿から、村人が井戸に感謝し大切に思う気持ちが伝わってきました。
 皆様のご支援で完成した計5本の井戸は、ルアノ地区の人々の健康と生活を向上させ、
未来を照らす光となっています。

櫻井睦子
①井戸を守る頑丈な柵

②衛生的な排水路出口

③不衛生な排水路出口

④井戸の使い方指導ー1

⑤井戸の使い方指導-2

⑥水汲みするお母さん