井戸の引き渡し式

「ルアノ初! 井戸の引渡し式」 (櫻井睦子さんからのレポートです)

ORMZニュース第29号でお伝えしたように、ルアノに初めての井戸が二本掘られました。

ヘルスポストの井戸の水質に少し問題がありましたが、その後水を汲み出して井戸を洗うことにより水質は改善し、二本の井戸はWHO(世界保健機構)の基準をクリアして飲料水として使用できることが確認され、7月19日に住民への引渡し式が行われました。

井戸の周囲には頑丈な木の柵が作られて家畜が近づかないように守られ、住民たちがバケツやプラスチックの容器を持って水を汲みに来たり、子供たちが楽しそうにポンプのレバーにぶら下がって水を出し、歓声を上げながら水を飲んだり手を洗ったりしています。

引渡し式には地区の代表である5人のヘッドマン、それを束ねるチェアマン、ORMZの診療にいつも協力してくれているコミュニティーヘルスワーカーやコーディネーターと、住民二百数十人余りが参加しました。

式はキリスト教のお祈りで幕を開け、次に私が日本に帰国中の山元先生の代わりに先生のスピーチを代読。それをコーディネーターのシバンダさんがトンガ語に通訳してくれましたが、「2本の井戸からきれいな水が出て、おめでとうございます!」という先生のスピーチの冒頭部分には大歓声が上がりました。

<家畜を井戸のそばに近づけない>、<井戸の近くで洗濯をしない>、<井戸の周囲にゴミを捨てたりせず清潔にする>などの正しい井戸の使い方の説明があった後、質疑応答の時間があり、「三本目の井戸はいつ掘ってもらえるのか」などの質問がでました。

その後は、チェアマンのお礼のスピーチ。「日本の人たちのお蔭で私たちはきれいな水をやっと手に入れることができて、こんなに嬉しいことはない。井戸を正しくきれいに使って、我々が井戸を立派に管理できることを日本の恩人たちに示して、また次の井戸を掘ってもらえるように全員で頑張ろう。」という力強い言葉がありました。

続いてヘッドマンたちがそれぞれお礼の言葉を述べてくれました。きれいな水が使えるようになったのはどれだけありがたい事かと、日本の支援者の皆さんへの感謝の気持ちで一杯のようでした。

そして女性たちによる感謝の歌と踊りで幕を閉じました。

井戸には立派な柵ができ、住民たちの井戸を大切に使おうという思いが伝わってきます。

きれいな水で地域全体の健康状態が向上し、ますます人々に活気が溢れますように。

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