現地活動報告 27年10月30日
みなさま
いかがお過ごしですか。日本はすっかり秋も深まっている頃だと思います。ルサカはとても暑いです。電気は以前と比べ、計画停電の時間がやや短縮されてきましたが、水の出が悪く、水圧が低いので、温水器のお湯を使うことはほとんどできない状態です。
ルアノで悲しい報告を聞きました。3歳の男児が、2日間熱があり、3日目に亡くなったそうです。父親と話しましたが、たいしたことないと考え、コミュニティヘルスワーカーの所にも連れていっていません。現在マラリアの患者はとても少ない状況で、この子がマラリアであったかどうかはわかりませんが、とても残念でたまりません。父親にはお悔やみを述べると共に、子供が調子悪い時は早めにコミュニティヘルスワーカーに相談するように伝えました。
10月21日のニャンカンガの巡回診療は、患者数94名、マラリア2名、かぜが多く、結膜炎、下痢がそれに続きました。コミュニティの協力体制が、私の帰国前の6月と比べて大きく改善していて、とても驚きました。ニャンカンガでの活動は2014年6月から開始され、1年たった2015年6月になっても、私たちの到着時には誰も来ておらず、荷物の積み下ろしも自分たちだけでしなくてはいけないような状況でした。私は、カンカンに怒って、もう次回からは来ないとまで言い切り、それからはスタッフからはマッドドクター(怒った医者)と呼ばれるようになりました。それが今回到着時にはほとんどみんなそろっていて、一緒に仕事を開始することができました。その上、これまで草ぶきの小屋で診療をしていましたが、りっぱなレンガの建物がほぼ完成していました(写真)。これで雨季でも雨の心配をせずに診療できます。早速、ルサカでトラックの手配をして、10月29日にトタン屋根、ドア・窓枠などを運びました。住民がダンスをしてトラックの到着を喜んでくれたそうです。
10月23日、ルアノ地区でドラマグループによる啓発活動を実施しました。多くの人々が集まりました。ヘッドマンと呼ばれるそれぞれの地区の長も6名全員出席していただき、昼食にヤギ1頭の差し入れがありました。マラリア、衛生管理、井戸の使い方などに関して、ドラマグループが面白おかしく演じてくれました。その間にダンスや歌が入り、ルアノバンドも登場(写真)しました。今回は亡くなった子供のこともあり、子供が調子悪い時は早めにコミュニティヘルスワーカーに相談するようにというメッセージを強調してもらいました。
以前指摘したセンターの井戸の排水口がとてもきれいになっていて(写真)、うれしかったです。鍵をするための鎖をルサカで買い、持参したのですが使う必要はありませんでした。私は、啓発活動の間、今年更に2基掘る場所の選定とこれまで掘削した井戸の状況を見て回りました。とてもきれいに使っている所がほとんどでしたが、一番奥のトンプエ地区の井戸の周りにはゴミが落ち、排水口もきたなく改善が必要で、ヘッドマンにその旨を伝えました。ルアノはとても暑く、車はクーラーが効きませんので、窓全開で走ります。現在乾季ですので埃がすごいです。ルサカから持ってきたミネラルウオーターは冷ましたお湯のようで、すこしもおいしくありません。途中タイヤのパンクなどもあり、ルサカに帰りついたのは9時半、水がでず、貯め水で髪を洗いましたが、茶色の泡が出て、びっくりしました。その週末は完全にダウンしていました。
10月28日のルアノ地区での巡回診療は、患者数78名、マラリア1名、かぜが多く、結膜炎がそれに続きました。チペンビヘルスセンターから看護師に同乗してもらい、予防接種をお願いしました。車には6人は乗れませんので、私はルサカに残りました。郡保健局からヘルスセンターに対しては、センターからそれぞれの地域への予防接種などのアウトリーチ活動に予算が出ているのですが、ルアノにはなかなか行ってくれません。そのため、3-4カ月毎にこちらからお願いしています。もちろん予防接種が終われば、診療を手伝ってもらっています。
以前から、コミュニティヘルスワーカーから地区内の移動手段がなく困っているとの訴えがありました。今回それぞれのコミュニティヘルスワーカーに自転車を贈ることができました。村で走るのに丈夫なタイヤの大きな自転車です。スパナ、空気入れポンプ、パンク修理キットをつけてもらい850クワチャ(約8500円)です。みなさまからの支援のおかげです。ありがとうございました。
中古車取り扱い店のパキスタン人のオーナーがようやくルサカに戻ってきたので、2008年製のマニュアルのランドクルーザーの値段交渉をしました。ザンビア人のマネージャーが言っていた500,000クワチャではなく、55,000ドルだと言われました。最終的に48,000ドルで、塗装し直し、新しいバッテリー、車両保険、1年分の道路税などを付けてもらいました。新車だと2000万円はすると言われましたが、あまりに高い買い物で、大分粘って交渉したのですが、これ以上まけてもらうことはできませんでした。
先ほど建築資材運搬のためにトラックを手配したと書きましたが、トラックをレンタルしてくれるレンタカー会社はなく、町中に停まっているトラックの運転手をつかまえて交渉しました。もちろんザンビア人の運転手が中にはいってくれます。ニャンカンガとムワンタヤでも啓発活動を予定しています。毎日忙しく、元気に仕事をしています。どうぞみなさまもお元気でお過ごし下さい。