6月後半の活動報告
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。鹿児島では雨がひどかったようですが、みなさまのところでは大丈夫でしたでしょうか。
こちらでは、6月11日に審査会がひらかれ、無事にザンビアでのNGO登録が承認されました。山本ひとみさんのご尽力のおかげです。ありがとうございました。そのNGO登録を受けて、すぐにザンビアでの就労ビザの延長の手続きを開始しました。6月24日に、入国管理局のサイン入りのレシートがもらえました。これで日本に帰国することができます。
この2週間の活動の報告をします。
6月17日 ニャンカンガでの診療
患者数113名 マラリア37名 上気道炎(かぜ)44名 下痢16名 結膜炎4名 皮膚疾患5名 他
前回と比べて、患者数はあまり多くなく、マラリア患者数も減ってきています。私たちが到着した時には、2-3人の女性のコミュニティボランティアが待っていただけで、男性のボランティアは、コミュニティヘルスワーカー1人を除いて誰もいませんでした。器材やカルテの入った重いコンテイナーの搬入の手伝いも女性だけです。ニャンカンガは、活動を始めて1年近くたっていますが、コミュニティの協力が十分ではありません。そのために、このような状況が続くようだと、巡回診療の継続はむずかしいことを手厳しく説明しました。決まったボランティアが決まった役割を分担するのではなく、受付をする人、体重を計ったりする人などが一定していません。体重10.5kg、10.8kg、10.6kgとやたら多く、どうも目の前にいる子供の体重と違うようです。すると、15kg、18kg、16kgといった具合でした。また、受付番号も、1099番から急に2000番に飛んでいます。ひとつひとつ説明していかなくてはいけません。どうしても辺地ですので、小学校を卒業していない人も多く、生まれた年は覚えているが、それから自分の年齢を計算できない若い人も多く見かけます。
それでも帰る間際に、巡回診療を行うための建物の建設が始まっている所に案内されて、とてもうれしかったです。乾季の間に何とかレンガを積み上げ、屋根やドアを付けられたらいいなと思いました。
6月18日 井戸掘り現場の視察
15日にムワンタヤでの現場確認の後、中国人の経営している井戸掘り業者チャイナガンスと打ち合わせをして、18日に中国人のエンジニアと共に、ムワンタヤ、ルアノの井戸掘り現場の視察に行きました。ムワンタヤ2か所は全く問題ありませんでしたが、ルアノは道路状況が悪く、不満たらたらで、彼らのトラックが入るまでに道路の整備をするからと、一生懸命になだめて納得してもらいました。最後には現地でパンク修理が必要でした。19日には5基の井戸掘りの契約を済ませました。
6月23日 ムワンタヤの井戸掘りの視察
21日にはムワンタヤにトラックが入り、22日から掘削が始まり、その日のうちに水が出たとの連絡を受け、23日に見に行きました。水が出た時には大勢の人々が集まり、ダンスをしたりとたいへんな盛り上がりだったそうです。2か所めの掘削も始まっていました。
6月24日 ルアノ巡回診療
患者数64名 マラリア20名 上気道炎(かぜ)17名 下痢7名 結膜炎4名 皮膚疾患4名 他
びっくりするほど患者数が少なく、マラリア患者数も減ってきていますが、マラリア検査の陽性率は20/36 (55.6%)と高めでした。患者数が少ないのは、トウモロコシの収穫の時期でもありますが、コミュニティヘルスワーカーたちが、多くの患者を診てくれているからだと考えられます。生後1か月の先天性梅毒の赤ちゃんがいて、一度ヘルスセンターに搬送し、治療を受けているのですが、発疹がからだ全体に広がっていました。再度ヘルスセンターに行くことを勧めたのですが拒否され、ペニシリン系の抗生物質を2週間分処方し、2週間後必ず連れてくるように説明しました。今後の方針については、準医師のムレタさんと相談し、きちんと経過を追うこととしました。
6月25日、26日
運転手のスルさんと、コーディネーターのシバンダさん2人が、井戸掘りのトラックの道案内をして、ルアノに入りました。今回ルアノでは3基掘る計画ですが、前回道路状況が悪く、トラックの入れなかったトンプエまで2人に行ってもらい、状況を確認しました。地区の人々が大勢出て、道路脇の木を切ったり、草を刈ったりして、道幅を拡げていたそうです。トンプエまで川を2つほど越えなくてはいけないのですが、水量はあまりないのですが、段差がきついので、その整備にもう2-3日かかるとのことでしたが、今回は間に合いそうです。26日には、山本ひとみさんに完成したムワンタヤの井戸を確認に行っていただきました。水質検査結果がでるまでは、井戸は鎖が巻かれ、使用することはできません。
私は29日に帰国します。最後まで、就労ビザの申請、薬剤の追加、井戸掘りの契約、申し送りなどで忙しくしていますが、いない間は、現地スタッフ、山本さんのお世話になります。よろしくお願い申し上げます。