現地活動報告 29年6月

みなさま いかがお過ごしでしょうか。九州地方は梅雨にはいったと聞きました。雨の多い毎日が続いているのでしょうか。

こちらは、いいお天気が続いていますが、朝晩、寒くて重ね着をしています。乾燥してきているので、未舗装の道路を走ると埃がすごく、対向車が全く見えません。運転手には十分に注意するように口を酸っぱく言っています。

5月10日はルアノでの巡回診療。患者数は82名と少なく、マラリア陽性は80名中27名(34%)。昨年の今頃は35名(45%)でしたので減少しています。マラリア蚊の殺虫剤噴霧の効果なのか、天候の影響なのかはっきりしません。三重大の医学生1人が同行しました。ルアノの往復で、あちこちの道端に20名近くの患者が待ちかまえていました。マラリア陽性はごくわずかで、チペンビヘルスセンターに行くように説明しましたが、どれだけわかってもらえたのか疑問です。

5月17日はニャンカンガでの巡回診療でした。114名の患者を診察し、マラリア陽性は112中27名(24%)。昨年の同時期の92名(60%)と比べて大きく減少していて、ニャンカンガでは噴霧活動をしていないので、やはり雨が多かった影響かなと思います。ブラックマンバ(コブラ科の毒蛇)が、クリニックの近くで出たが殺すことはできなかったと聞いて、せっかく近くにできたトイレを使うのも怖くてたまりませんでした。三重大の医学生1人が同行しました。

5月24日はルアノでの巡回診療。患者数は68名と少なく、マラリア陽性は59名中23名(39%)。昨年の今頃は34名(44%)でした。三重大医学生4人が同行して、仕事を手伝っていただきました。ありがとうございました。2か月の乳児が重症肺炎で、抗生剤の筋注後、プロジェクトの車でチペンビヘルスセンターに送りました。その後郡病院に送られましたが、元気になりました。学生さんには車の中が窮屈で申し訳なかったです。

6月7日はサンダラでの巡回診療。今回は行き帰りとも車のトラブルがなくほっとしました。患者数は123名。マラリア陽性は121名中67名(55%)と多く、ルアノとの境界に接するルアノ郡などの他の郡の患者にマラリアが多くみられました。血性の嘔吐、血便に強い貧血の患者が牛車で運ばれてきて、血圧もやや低め、とにかく点滴をして脱水を少しでも補正し、ヘルスセンターに連れて行くことにしました。19時前に診療が終わり、1台の車の後ろの荷台を空っぽにしてタオルなどを敷き、そこに横になってもらいました。ルアノのいつも診療を行うクリニックでは下肢の蜂窩織炎の子供が待っていて、ヘルスセンターに連れて行きました。またコミュニティヘルスワーカーの奥さんが流産したらしくヘルスセンターに連れて行くことになっていました。ヘルスセンターなどに搬送する時は必ず家族がいっしょです。蜂窩織炎の子供の父親が母親と一緒に自分も行くと言ってきかず、車にはスペースがないと説明してもなかなかわかってもらえずたいへんでした。腕の骨折の子供が2人いて、三角巾で固定することしかできず、病院受診を勧めましたが交通手段がない、金がないと。1人にはわずかなお金を渡し、もう1人はヤギを売って金をつくれるとのこと。できるだけ早く受診するように説明しました。今回は、ヘルスセンターからのスタッフが同行して予防接種を実施しました。ルアノに向かう途中で、10名以上の患者が待ちかまえていました。このうちマラリア陽性は2名だけでした。再度、ヘルスセンターに行ってほしいと説明しましたが、3時間も歩かなくてはいけないと主張され、こまってしまいました。

ルアノのマインガ地区のみ連絡が届いておらず、噴霧が実施できませんでしたので、5月15日にマインガや道路状況が悪く行くことのできなかったサンダラの数軒を含め、再度噴霧を実施しました。16家族30戸の噴霧を行いました。車で相当の距離走ったのですが、ルアノの端と端で、あまり効率の良い噴霧ではありませんでした。5月19日はニャンカンガでのはじめての噴霧でした。35家族73戸の噴霧を実施しましたが、家が比較的かたまっているのでとても順調に実施できました。自分の家の敷地内にポンプのついた井戸を持っている人がいたり、10m以上手掘りできれいな水を確保している人がいたりと驚くことが多かったです。家そのものもトタンで葺いている家が多くみられ、ルアノの藁葺きの家と比べ、生活が豊かな印象を受けました。噴霧終了後、コミュニティヘルスワーカーのモゼスさんの家でシマをいただきました。おかずのオクラがとてもおいしかったです。

5月26日からはコミュニティヘルスワーカーの研修が始まりました。30日の研修なのですが今回は20日分、サンダラから4名、ルアノから3名、ニャンカンガから3名の参加者に、ムレタさん、シバンダさんにルサカの新米看護師のデリックさんに講師をお願いしました。農業大学校の宿舎を借りるはずのところ学生が使用しているため使えず、こまっていましたが、ゲストハウスを持っているオメガ夫人の好意で1ベッド250クワチャを100クワチャ(約1200円)で使わせてもらうことができました。ルサカのゲストハウスなどよりとてもきれいで、設備もあまりにも整っているので、盗難などの不祥事が起きなければと心配しましたが、大丈夫なようです。人を信用しないのかと思われるかもしれませんが、ムレタさんのヘルスポストもルアノのヘルスポストも薬などの盗難にあっていますし、噴霧時に手袋が無くなったりと、泥棒や盗難は日常茶飯事ですので、気をつける以外にないのです。食事の準備は近くで食堂をやっているカバンガさんに、1皿15クワチャ(約180円)でお願いしました。朝食のパンと卵はルサカから3-4日おきに届けています。研修の参加者は英語の読み書きができることが条件になります。マニュアルが英語なのです。マニュアルの英語がむずかしい所はわかりやすく説明したりと工夫していますが、参加者はとても優秀で順調に進んでいます。水曜日は巡回診療に出ますので、その時はデリックさんに一人でがんばってもらいます。

みんなでがんばって仕事をしています。これからもみなさまからのご支援をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

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syuサンダラの診療所

syu道路端でマラリア検査

研修会