現地活動報告 12月16日

みなさま いかがお過ごしでしょうか。日本は大分寒くなったのでしょうか。

こちらは、ほとんど毎日雨ですが、時折きれいな青空が広がります。1日数時間の停電はあいかわらずですが、断水はほとんど無くなりました。

前回ご報告したように、11月にマラリア蚊殺虫剤噴霧活動を実施した時に、サンダラ(トンプエ)村の奥、隣の郡との境界の村々を回りました。そして多くの人々が医療サービスを全く受けていないことがわかりました。そのため、できれば月1回巡回診療を実施したいと強く考えるようになりました。ムワンタヤ地区での診療が終了し、ニャンカンガ地区を月2回にしようとも思いましたが、スタッフとも話し合い、ニャンカンガでは近くのヘルスポストまで歩いて2~2.5時間で行けることもあり、サンドラ村で実施することにしました。ルアノの中心からサンドラ村まで約20㎞、大きな川が3つあり、雨季にはむずかしくなりそうですが、できる範囲でやってみようということになりました。その旨を伝えると、すぐにサンダラ村やその周辺の村のヘッドマンが集まり話し合いがもたれたようです。12月7日、はじめてのサンダラ村での巡回診療でした。ちょうど国のチャイルドヘルス週間と重なり、チペンビヘルスセンターの2人の看護師が予防接種を実施するために同乗しました。また、2台のランドクルーザーにルアノから2人のコミュニティヘルスワーカーと3人のボランティアが同乗しました。途中泥道で1台のランクルが泥に埋まって動けなくなりました。牽引しましたが動かず、シャベルを近くの家から調達して穴を掘り、タイヤの前後に石を入れ、2時間かけてようやく泥から抜け出ました。サンダラ村に着いた時は14:30を過ぎていました。それでも多くの人々が待っていて、歌と踊りで歓迎してくれました。驚いたことに、草で囲った、トタン屋根のりっぱな小屋がすでに出来上がっていました(残念ながらカメラを持参しておらず、写真がとれませんでした)。早速診療を始め、94名の患者を診察(受付は101名で、何人かはカルテを持って帰り、正確な診察した患者数はわかりません)、ルアノ外からのマラリア患者が多く陽性者は88名中28名でした。また、ビルハジア(住血吸虫症)による血尿を訴える患者が12名と多く、驚きました。受付した患者の8割はルアノ(チサンバ郡)外のルアノ郡などからの患者でした。診療が終わったのは19時前で、暗くて小屋の外で何人かの患者は診察しました。帰途、1台のランクルの左後のスプリングはずれてしまい(実際は真ん中で折れていた)、またもや修理に2時間かかりました。運転手の忍耐強い応急修理にはほんとうに頭が下がります。ルサカに到着したのは翌日の2時でした。

12月14日はルアノでの巡回診療。患者数は30名と少なく、これまでで最低でしたが、みんな雨季が始まり畑で忙しいとのことでした。マラリア陽性は30名中3名。こんなにゆっくりとした診療は5年間ではじめてでした。帰りはチサンバから土砂降りで、前がやっと見える状況でした。雨のため、水たまりがあちこちにでき、道路状況がとても悪くなってきています。1台のランドクルーザーはルサカに着いて、家まであと一息という所で、タイロッドの末端がはずれてしまい、運転手のテンボさんは針金で何とか結索し、やっとの思いで帰り着いたようです。 帰途にシェレニ村の井戸から水を採取し、12月16日には、ザンビア大学の水質検査の結果、細菌0との報告を受けました。

12月8日午後から10日お昼まで2日間のコミュニティヘルスワーカーのリフレッシャー研修を実施しました。ルアノから4名。ニャンカンガから3名、ムレタさんのルカタから2名、今年マラリア対策を支援したモンボシから2名の計11名のコミュニティヘルスワーカーが参加し、講師はムレタさんとシバンダさんにお願いしました。場所は農業大学校の教室を借り、その付属のゲストルームに宿泊しました。コミュニティでの病気の子供のケアというコミュニティヘルスワーカーの教本を再度おさらいしてもらい、薬剤の投与量のラミネートしたマニュアルを渡し、正確な治療について再度確認しました。また妊婦の危険兆候、家族計画についても復習しました。この研修は、日頃のコミュニティヘルスワーカーの仕事をねぎらう意味合いもあったのですが、マーケットの女性にお願いした食事もおいしかったようで、とてもいい研修ができました。

今年は、とにかくマラリアが多く、コミュニティヘルスワーカーがとてもがんばって仕事をしてくれました。ルアノでは多い時で、2週間で416名中320名がマラリア検査陽性、ニャンカンガでは4週間で561名中491名陽性とたいへんな数のマラリア患者でした。ルアノではマラリアで亡くなった方はいませんが、ニャンカンガでは1人の子供がヘルスポストでマラリアの薬をもらって帰って来て、家で亡くなっています。とても残念なことですが、コミュニティヘルスワーカーのがんばりがなければどれだけの数の子供が亡くなったかわかりません。十分量のマラリア検査キットと抗マラリア薬が手に入るだけの支援をみなさまからいただいているおかげで、多くの命を救うことができたと考えています。ありがとうございました。また、今年はルアノ地区でマラリア蚊殺虫剤噴霧を実施することができました。みなさまからの支援のおかげです。ありがとうございました。

今年はあと2回の巡回診療があります。現地のスタッフもとても責任感を持って仕事をしています。来年もみんなで力をあわせて、がんばって活動を続けていこうと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。 みなさま、どうぞよいお年をお迎え下さい。ありがとうございました。

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