活動報告(5)12.11.28「ルアノ地区巡回診療(2)」

■橋が壊れている

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全員集合

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橋の手前の道路状況

雨季が始まりました。雨の降った翌朝、事務所兼住宅の我が家の台所は水浸しでした。床に置いていた50kgの小麦粉の入った袋もびっしょりと濡れていました。台所のドアの建てつけが悪いので、隙間から雨水が浸入するのです。2日続けて同じ状態でしたので、大家さんにドアの下の隙間にゴム板を取り付けてもらい、量は減りましたが、まだ雨水の浸入は続いています。ドアの隙間にタオルやバスタオルを重ねて何とかしのいでいます。

ルサカの町にもあちこち水たまりができていて、ルアノまで行けるかととても心配でした。チペンビヘルスセンターまでの道は、水たまりが多くできていましたが、路面が比較的硬いので特に問題なく通過できました。

ヘルスセンターに着いて、橋が壊れていると知らされました。ルアノ地区に行くには、20分ほど砂利道ですが、カブエという町まで通じている最近整備された大きな道路を通ります。そこには、いくつもの幅1m程のコンクリート製の橋が造られています。その橋のいくつかが陥没して通れないとのこと。

その壊れた橋を避けるために、う回路を経て何とか大きな道路に出ましたが、ほとんどの橋が陥没しています。橋の脇には排水路の穴が掘られているのですが、土砂がたまって全く排水路の役目を果たしていません。そのために橋の下に水がたまって橋の土管の底を掘り下げて、地面がどんどん陥没しているのかなと考えました。

陥没し、両脇が大きくえぐれた橋を恐る恐る渡って、何とかルアノに通じる脇道に入りました。この脇道も2週間前とは大きく様変わりしていました。水たまりが多くぬかるみ、大きな石がごろごろしています。雨のせいで、木々の緑がとても美しいのですが、無事に着けるかどうか心配でたまりませんでした。涸れていた小川にも水が戻り、その中をバシャバシャと進みました。30分以上余計にかかって何とか到着しました。

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陥没した橋

■診療

途中、多くの人々が畑を耕していて、巡回診療を受けるために歩いている人々をほとんどみかけませんでした。案の定、今日の患者数は36人、妊産婦健診は4人。14時前には全ての仕事が終わりました。重症の患者もなく、マラリア患者も4人のみ。夢を見ているような気分でした。雨季が始まり、みんな畑に出ているので、本日の患者数は少なかったとのこと。昨年はこんなことなかったと反論すると、昨年は巡回診療が開始されたばかりで、みんな診療がいつまで続くか、2-3回で終わるのではないかと不安だったからだとのこと。耕作が終わり、種をまいてしまえば、次回からまた多くなるよとの説明を受けました。

■ぬかるみにはまる

今日は早く戻れるぞと、15時にはルアノを出発しました。悪路でしたが、順調に通過して大きな道路に出ました。

壊れた橋を慎重に進んで、後もうひとつという所で、トラックが橋に乗り上げて動けなくなっています。その脇の轍のできたぬかるみを通過するしかありません。そしてとうとうぬかるみにはまってしまいました。押せども引けどもびくともしません。そうこうしているうちに多くの男の人が集まってきて、あーでもないこうでもないと言いながら、押したり引いたり、みんな泥んこになりながら手伝ってくれました。約30分後、どうしたはずみかよくわからないのですが、ぬかるみを抜け出すことができました。助かりました。

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泥にのめり込んだランドクルーザー

手助けしてくれたみんながテンピン、テンピンと言っています。ピンとは1000クワチャ、テンピンは1万クワチャ(約160円)です。一人ひとりに1万クワチャは払えないので、財布の中の5万クワチャ以外のお札を全て渡してみんなで分けてもらいました。こういう時に、ありがとうと言って立ち去るのもひとつですが、ズボンやシャツを泥んこにして手助けしてくれた人に対して、わずかですがお礼をするべきなのではと思っています。

車の調子も少し悪くなったようで、振動して安定感がないと運転手のアンドリューが言います。修理にお金がかかるのでしょうか。次回のカナカンタパからは、車2台でないと、とても悪路は走れそうにありません。農業をする人々にとっては恵みの雨ですが、巡回診療にとっては、頭の痛い時期です。でも、がんばって、やっていきます。

■   協力者

人手不足のために、リテタ郡病院からの準医師(クリニカルオフィサー)の確保がとてもむずかしくなってきていたので、今回からムレタさんという退職した準医師(私と同じ年齢です)に同行してもらうことになりました。しばらく臨床を離れていたので、少々不安はありますが、まじめで、正直そうな方なので、しばらく一緒に仕事をしようと考えています。私が留守にする12月末からは、ピリさんというルサカのヌゴンベヘルスセンターの若い準医師もしばらく手伝ってくれることになりました。