巡回診療に参加して(医学生の報告)
この度は、ルアノ地区へのモバイルクリニックに参加させて頂き、ありがとうございました。
毎年ザンビアでの臨床実習を行っている藤田の学生が、山元先生のモバイルクリニックに参加させていただいているということで、今年は是非自分も体験したいと思っておりました。
モバイルクリニック前日には薬のパッキング作業を手伝わせて頂きました。薬は先生がザンビアの薬局で買われたもので、何十種類、何百個の抗菌薬や抗マラリア薬や鎮痛剤や降圧薬など、日本でもよく使われているものやザンビアならではのものが多々ありました。マラリアやHIVの簡易キットの使い方なども教わり、アフリカの医療の現状などが垣間見れる一面でした。薬剤は先生が村の方に無償で配られており、その資金は多くの方々の支援のお金で賄われているとのことでした。
ルアノ地区はザンビアの首都ルサカから4,5時間ほど行った辺境の地にあり、途中の道からはアップダウンの激しい未舗装の悪路を2時間ほど行かなければなりませんでした。これは自分にとっては想像以上のもので、思わず車外の光景を食い入るように見つめていました。目的地までの道の途中には、予め先生が来られるのを知っていた村人が道の横の草むらでずっと待っており、先生も車から降りてすぐに診療を開始されているのに大変驚きました。
ルアノの村では自分たちは村の人の紙カルテの整理や、血圧や体重の測定や、薬剤の配布の補助などを手伝わせてもらいました。紙カルテは8000冊にも及ぶ莫大な数で、先生がいかに村人の方々から信頼され、頼られているのかがよくわかりました。先生の診察の終盤には、自分たちにも何人か村の人の診察を一対一でさせていただきました。現地語を話せる通訳さんを通して英語で問診から身体診察までやらせてもらい、自分たちが考えたプロブレムを実際に先生にも見てもらって、ご指導を頂きました。まだ診療経験が皆無に近い自分たちにはとてもいい経験となり、大変ありがたい実習となりました。
今回の実習では、日本の実習よりもより「命」というものを身近に感じることができ、医師を志すものとしてより深く考えさせられるきっかけとなりました。今回経験したことを大切に、今後もより一層の研鑽を積んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。
藤田保健衛生大学医学部6年 大島一真