ザンビア現地活動報告27年5月
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。日本は少しずつ暑くなってきているのでしょうか。こちらザンビアは毎日快晴です。雨が4月中旬から全く降っていないので、舗装していない道路の土ぼこりがひどくなってきています。巡回診療および研修の報告をします。
◎5月6日ムワンタヤ
患者数189名 マラリア13名 上気道炎(かぜ)87名 他
マラリアの患者はまだ増えてきていません。昨年研修を受けたコミュニティヘルスワーカーの一人が姿を見せなくなりました。コミュニティが彼女の仕事に対して何らかの報酬を渡さない限り、活動に参加しないと言っているようです。井戸掘りを開始するためにヘッドマンに集まっていただき、話し合いがもたれ、まず2か所が選定されました。しかし、巡回診療に対するコミュニティの協力が必ずしも十分ではないので、少し経過を見る予定です。
◎5月13日ルアノ
患者数120名 マラリア40名 マラリア検査陽性40/97(41.2%)
マラリアの患者が増えていますが、昨年ほどではありません。日本大使館の医務官と看護師、日本人の医師1名、医学生1名が同行しました。診療が終了しルアノを出発する間際に、木から落ち、下唇を切った少年がやってきました。縫合が必要でしたので、プロジェクトの車でチペンビヘルスセンターまで運びました。ヘルスセンターに到着時、両下あごが腫れてきており、骨折の可能性もありましたので、そのまま郡病院に搬送。ムレタさん、医学生が同行。運転手と医学生がルサカに到着したのは23時過ぎでした。お疲れさまでした。
◎5月20日ニャンカンガ
患者数186名 マラリア48名 上気道炎(かぜ)77名 他
巡回診療を開始して、約1年になりますが、ほとんどの患者が昼過ぎにやって来るために、終了時間が遅くなってしまいます。また、患者がありとあらゆる症状を訴え、薬を希望するために、鎮痛剤や咳止めの薬などが不足。診療を受けるというよりも、薬目当てに来る患者が多いと感じています。ルアノでも診療を開始した当初は同じような状況でした。コミュニティメンバーに、ほんとうに薬が必要な人に薬が届くように、薬目当ての受診はさけるように、啓発活動をしていただくようにお願いしました。医学生1名が同行しました。
◎5月27日 ルアノ
患者数192名 マラリア40名 上気道炎(かぜ)93名 他
マラリアの患者はそれほど多くないが、かぜ症状を訴える患者が多く、いくつかの薬が足りなくなりました。検査で確認された梅毒患者が2名、先天性梅毒が疑われる乳児が1名。その児と熱傷の子供をヘルスセンターまで搬送しました。日本人の医師1名、医学生1名が同行し、診療を手伝っていただきました。
◎コミュニティヘルスワーカー(CHW)の再研修
巡回診療が終了し、コミュニティヘルスワーカーにマラリア検査、マラリアの薬、熱さましなどを残し、CHWは診察した患者の記録をします。1~3月分の記録を見ると、処方ミスが散見され、再研修の必要性を強く感じました。そのため、カナカンタパヘルスセンターのセンター長ムウインガさんの協力のもと、5 月21日から5 月23日まで2日半、リフレッシャーコースを実施しました。昨年11名養成したCHWの内、ムワンタヤの1名、カナカンタパの1名は残念ながら不参加でしたが、9名は、3人の講師のもと、咳を訴える5歳未満の小児の呼吸数を数えることの重要性、マラリア検査、薬の処方量などを再度確認しました。薬剤の処方量を記載したガイドラインをラミネートし、CHWひとりひとりに渡し、いつでも参照するように念を押しました。
CHWは全くのボランティアで、一切の報酬は受け取っていません。彼らはこの研修に参加するために、何時間もかけて自転車でやって来ています。彼らの仕事と努力に敬意を表し、また彼らの知識と技能を更に確かのものにするために、このような研修を年に1回は開きたいと考えています。