26年5月 巡回診療報告

みなさまお元気ですか。連休が終わって、いかがお過ごしですか。
ルサカは、4月20日過ぎに一度激しい雨が降りましたが、それ以降はいいお天気が続いています。カナカンタパへ行く道沿いには、黄色い花が咲き乱れ、お花畑の中を通るようです。運転手がマリーゴールドと言っていましたが、花の名前はよくわかりません。写真をご覧になってください。

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本当に多くの方々に支援をいただきありがとうございます。病院あてに直接お金を送っていただいたり、テレビ局に本を送っていただいたりと、住所やお名前がわからず、この場をお借りしてお礼申し上げます。

4月23日のルアノの巡回診療は、患者数160人、92人がマラリア陽性、陽性率66.2%、うち5歳未満児は30人、陽性率66.7%でした。5月7日はムワンタヤに出かけました。ここでは患者数201人、76人がマラリア陽性、陽性率45.8%、うち5歳未満児は23人、陽性率34.3%でした。ムワンタヤでは、陽性率が低いと思われるかもしれませんが、これは歯痛や下痢などの発熱の訴えのない患者まで、マラリア検査を受けているからだと思われます。ただ、発熱の訴えがなく、また平熱の患者でも全身倦怠感、体の痛みを訴える患者の多くがマラリア陽性のことが多く、どこで検査の線引きをするかとてもむずかしいところです。

私は小児科学会でも、2012年と2013年のマラリア陽性率を比べて、2013人は明らかに減少しているので、私たちの活動の成果ではないかとお話しましたが、どうもそうではないようです。おはずかしい限りです。現地のスタッフに聞くと、今年は雨が少なく、そうはいってもあちこちに水たまりができ、蚊が繁殖しやすかった。ところが昨年2013年は雨がとても多く、水たまりなどは押し流されて、蚊があまり繁殖できなかったのでは、と説明を受けました。今年はとにかくマラリアの患者が多く、チペンビヘルスセンターでも抗マラリア薬のコアテムが在庫切れで、私たちが届けたりしています。一緒に活動している準医師のムレタさんの住むチボンボ郡の20マイルという地域(人口約7,000人、大きな道路から平坦な道を30分ほど入ります)では、1月以降子供18人、大人5人がマラリアのために亡くなったそうです。ヘルスセンターが遠く、連れていくのが遅くなったり、またヘルスセンターに十分な薬剤のないことが原因のようです。ルアノでは、今年に入り、マラリアで亡くなった人はいないので、少しほっとしています。ムレタさんには、近くのヘルスセンターの許可をもらい、コアテム、マラリア検査キット、パラセタモール(解熱剤)などを常備し、マラリアの治療だけはしていただくようお願いしました。もちろんボランティアです。コミュニティヘルスワーカーと一緒に活動する許可がもらえたので、将来的には、村人にレンガを焼いてもらい、屋根やドアを提供して、小さなヘルスポストを建設できたらと考えています。ムワンタヤでは、1歳の男子がマラリア陽性で、すぐにコアテムを内服させるように話したのですが、手違いで母親に説明するにとどまり、その場で内服させず、母親はお菓子を子供にあげていたようでした。そして痙攣が始まりました。痙攣はすぐにおさまり、覚醒したのを確認して、コアテムとパラセタモールを内服させ、2時間ほど観察して、落ち着き、熱も下がってきたので帰宅させました。その約1時間後、再度痙攣が始まったと言って、母親が連れてきました。40度以上の発熱があり、熱性けいれんも否定はできませんが、一番怖いのは脳性マラリアです。すぐにキニンの筋肉注射を行いました。その2時間後にはすっかり元気になり、クッキーを食べ始めました。もちろん経過観察のためヘルスセンターに連れていきました。誰かがキニンマジックと言っていましたが、同感でした。

ムワンタヤでは、写真のように、以前はわらで囲った建物で診療をしていましたが、住民たちがレンガを焼き、積み上げ、私たちがトタン屋根を提供して建物が完成しました。3部屋あり、妊婦健診室、診察室、調剤室として使えます。ドア、窓枠とガラス、セメントを提供して完成させたいと計画しています。

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今週から後期分のコミュニティヘルスワーカーの研修がカナカンタパヘルスセンターで始まり、食糧の手配に追われています。チキン、牛肉、魚、卵、パンなどを3-4日おきに届けなくてはいけません。いかに安く購入するか、頭を悩ませています。

どうぞお元気でお過ごし下さい。これからもご支援よろしくお願い申し上げます。