26年4,5,6月の活動報告

ルサカは、4月中旬過ぎに雨が降って以来、全く雨はなく、毎日いいお天気です。昼間は外に出ると結構暑いのですが、家の中はひんやりとして、朝晩は肌寒いです。ここ1か月とても忙しく、活動をご報告することができず、申し訳ありませんでした。

5月12日から24日まで12日間カナカンタパヘルスセンターで、コミュニティヘルスワーカーの後期研修が実施されました。残念ながら、1名の女性が参加できませんでしたが、11名が無事30日間の研修を修了しました。ニャンカンガ地区の2名には、携帯電話が通じず、ようやく連絡が取れた月曜日の夜中過ぎに5時間歩いてカナカンタパに到着し、その朝から研修に参加しました。また、不参加となった女性の代わりにカナカンタパから若い青年が参加しました。ルアノ地区で4名、ムワンタヤ地区で3名、ニャンカンガ地区で2名、カナカンタパ地区で2名(うち女性4名)のヘルスワーカーが誕生し、修了証明書が授与されました。後期の12日間は小児保健に関する講義と、実地研修が中心でした。前回の講師のムウインガさん、シバンダさん以外に巡回診療でいつも手伝ってくれているムレタさんが加わりました。コミュニティヘルスワーカーは、今後巡回診療を手伝ってくれると共に、診療後の患者のフォローをしてくれます。また、ルアノ地区、ムワンタヤ地区では、住民が自分たちで建てた建物をこれからヘルスポストとしていけるように、週のうち2-3日はだれかコミュニティヘルスワーカーが常駐し、彼らのできる範囲での診療、投薬をしていける体制作っていきたいと考えています。そのためには、次回の巡回診療までの十分な薬品、マラリア検査キットなどが必要となります。

月3回の巡回診療は継続しています。6月4日のムワンタヤ地区の巡回診療では、朝、運転手が定刻を過ぎても現れずにこまってしまいましたが、たまたま巡回診療見学のため、日本から見えていた滋賀大学の医学生が、以前南アフリカで生活されたことがあり、国際免許証も持っておられ、運転してくださることになりました。医学生には、マラリア検査などもしていただき、いろいろとお手伝いいただき、とても助かりました。ありがとうございました。心からお礼申し上げます。(出勤しなかった運転手は、翌朝連絡があり、暴漢に襲われ怪我をして、病院に入院していたようでした。けがの程度は軽く、翌日には退院できました。 )

ムワンタヤ地区には、同じ日に、住民が建設した建物を完成させるために、グリルドア、窓枠、セメントなどを搬入しました。

ルアノ地区、ムワンタヤ地区でも巡回診療でのマラリアの患者が少しずつ減ってきて、喜んでいたのですが、6月11日のルアノ地区の診療では145名中105名のマラリア検査陽性患者が出て、今年最高の72.4%の陽性率となりました。ただありがたいことに、今年に入り、ルアノ地区ではマラリアにより亡くなっている方はいません。そのために両地区とも抗マラリア薬、マラリア検査薬が、昨年と比べ約2倍量が必要となっています。それが提供できるのもみなさまのご支援のおかげと、心からありがたく感じながら、仕事をしています。

5月30日には、ニャンカンガ地区での巡回診療を開始するため、地区の村の長との話し合いが行われました。人口約4000人の地区で、一番近くのヘルスポストまで18km、チペンビヘルスセンターまで約62kmとのことでした。道は平たんでルアノのような悪路ではありませんが、雨季の通行はむずかしそうでした。6月の第3週水曜日から月1回の診療を開始することで、住民の協力が得られることとなりました。これで、6月からは毎週水曜日は診療にでることとなります。

今年はルアノ地区に井戸を掘る計画がありました。以前、日本のODA (Official Development Assistance政府開発援助)でザンビアに1000個以上の井戸を掘ってこられた日本人の方からアドバイスをいただき、中国の井戸掘りの会社を紹介していただきました。他の2社は現地を見ることもなく、見積もりを出すのに比べ、まず現地を見てからとのことで、5月22日に担当者と共にルアノに向かいました。ルアノ地区の入り口の小川の急こう配で、まずダメだと言われました。運転手のスルさんがもう少し傾斜の緩い別のルートがあると説明し、先に向かいました。ルアノに着くまで何度も何度も立ち止まり、これはたいへんだと言われましたが、何とかルアノ地区の巡回診療を行っている中心部にたどり着きました。そこまで、いつ引き返されるか心配で祈るような思いでした。ルアノに着くと、多くの高い木々を見て、ここなら水が出ると太鼓判を押してもらえました。この会社は、1基7500ドルと他社と比べると2倍くらい高いのですが、水が出るまで掘ることと水質検査を約束して下さりました。他の会社では、水が出なかった場合もお金を支払はなくてはいけません。日本で緊急の臨時総会での承認をいただき、この会社に2基掘っていただくことになりました。村の男の人たちは、さっそく道を広げるための草刈、木の枝切りなどを開始しました。

NHKBS 地球アゴラの出演依頼があり、カメラマンが6月10日にルサカにみえることになりました。また井戸掘りも12日から始まることになり、とても一人では対応できないと考え、ORMZ会員の櫻井睦子さんに6月6日から応援に来ていただいています。6月11日はルアノ地区での巡回診療、12日は井戸掘りのためのトラックの先導、13日はドラマグループによる、きれいな水の使用、井戸の管理などを含む衛生問題とマラリアの啓発活動、15日は2基目の井戸堀りを見るために、再度ルアノに向かいました。これまで週2回のルアノ行はありましたが、1週間に4回も往復したのははじめてでした。うち3回はカメラマンと一緒でしたが、カメラマンが帰られた後は熱を出して寝込んでしまいました。ルアノ地区の人々ははじめての井戸掘りに大喜びです。その様子がテレビで再現されることを期待しています。 こうして活動でき、ルアノをはじめ地区の人々の笑顔を見ることができるのは、みなさまのご支援のおかげです。ありがとうございます。

これから梅雨が明け、暑い日々が始まりますが、どうぞお元気でお過ごし下さい。これからもご支援よろしくお願い申し上げます。

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研修の講師をしてくれた方々と視察に来られた中国の方々です