現地活動報告12月6日

みなさま、いかがお過ごしですか。
日本はすっかり寒くなっていることと思います。こちらは週に1-2回雨が降った後は少し涼しくなりますが、まだとても暑いです。本格的な雨季はまだ先のようです。電気は相変わらず、計画停電が続いています。水の出は以前と比べ少し良くなりましたが、安心していると突然断水になったりして、こまっています。

11月18日のニャンカンガでの巡回診療は、患者数65名と少なかったです。マラリア検査陽性者は1名だけでした。かぜ、下痢の患者が多かったです。特に重症患者はいませんでした。建設中の建物には屋根がかけられ、雨季が始まる前には雨がしのげる建物が何とかできそうです。

11月25日のルアノでの巡回診療は、患者数88名と少なかったです。マラリア検査陽性者は2名でしたが、臨床的にマラリアを否定できない患者が3名、かぜが多かったです。特に重症患者はいませんでした。ミニルンガの郡病院で、ボランティアで患者をみておられる鈴記先生、北海道大学の山口先生(獣医師)。徳島大学の医学生の吉田さんが同行されました。診療は鈴記先生・準医師のムレタさんにお願いして、私は井戸の見回りに出かけました。どの井戸もきれいに使われていて、安心しました。ただ、トンプエ地区とサパニ地区の中間点に掘る予定だった井戸は道路状況の悪化でトラックが通れず、シェレニ地区でも3か所試掘しましたが、どうしても水が出ず、井戸業者はあきらめて、ムワンタヤに向かったとの連絡がありました。お手伝いいただいた鈴記先生、ありがとうございました。

12月2日のムワンタヤでの巡回診療は、患者数102名、マラリア1名、かぜが多く、体の痛み、皮膚疾患がそれに続きました。私たちの到着時、建物の部屋に鍵がかけられ、部屋の中にはヘルスポスト建設の器材が詰め込まれ、とても診療ができる状態ではありませんでした。コミュニティメンバーの一人が鍵をこじ開け、部屋の中の片づけを始めましたが、巡回診療の予定日であったのに、何の準備もされておらず、情けなかったです。また、巡回診療の建物の前にある井戸は多くの人が使っていましたが、井戸の周囲の柵がまだできておらず、排水口もきれいではありませんでした。排水口に大きな穴をほり、大きな石を埋めて水が溜まらないようにしなくてはいけません。そうしないとマラリア蚊の繁殖する水たまりになってしまう恐れがあるのです。何度も何度も言ってきたことが実行に移されておらず、仕方なくチェーンで鍵をかけました。それでもだれも排水口の穴掘りを始める人はいません。私は腹が立ってしかたなく、素手で穴掘りを始めました。みかねてようやく3人のコミュニティメンバーがスコップなどを持ってきて穴掘りを始めました。排水口がきれいにならない限り、今日は帰らないと言いましたが、夕方までには何とかきれいな排水口になりました。ルアノはトンガ族がほとんどですが、ムワンタヤはいろいろな部族がいて、なかなか協力し合わないのだそうです。新しく掘ったソンゴラの井戸を見に行きましたが、こちらは、柵は途中まででしたができていて、排水口もきれいでした。ヘッドマンにもう少し深く排水口の穴を掘ってくれるようにお願いしました。

ニャンカンガ、ルアノでもNHC(ネイバーフッドヘルスコミッティ、巡回診療の手伝いをしてくれるコミュニティメンバー)とコミュニティヘルスワーカーの1日セミナーが開催されました。ほぼ全員の関係者が出席しました。

11月27日には、ムレタさんの住んでいるルカタ地区でドラマグループを使った啓発活動を実施しました。全く初めての試みでした。お葬式と重なり、出席者は70~80名と少なめでしたが、みんなとても楽しそうに、ダンスに参加し、興味深く寸劇を見ていました。徳島大学の医学生の吉田さんが実はプロのドラマーで、持参された打楽器を演奏して下さり、みんな大喜びでした。ありがとうございました。

ルアノでは水がでず、急遽、ニャンカンガで2基井戸を掘ることになり、4人のヘッドマンやネイバーフッドヘルスコミッティメンバーとの話し合いがもたれ、掘削場所が決定され、2-3日中に掘削が始まる予定です。井戸の掘削が終わるまで、何とか激しい雨が降りませんようにと祈るような思いです。

毎日忙しくしています。どうぞみなさま、お元気で、かぜなどひかれませんようにお過ごし下さい。

26年ソロプチミスト設置井戸

ムワンタヤ井戸多くの人々

ルカタ地区啓発活動