現地活動報告 (11月27日)

みなさま いかがお過ごしでしょうか。先週東京は雪が積もったと聞きました。寒い毎日だと思います。

こちらは、昨日から本格的な雨です。この2日間降り続けていて、肌寒く感じています。そのせいか断水が無くなりました。停電はあいかわらずですが、水が出るのでとても助かります。

11月16日はニャンカンガの巡回診療でした。患者数は85名、マラリア陽性は78名中1
名と少なく、下痢や結膜炎の患者が多くみられました。手伝ってくれるコミュニティのメンバーは1人のコミュニティヘルスワーカーを除いていつも女性だけ、10月末から始まったトイレ建設は全く進んでいませんでした。以前からニャンカンガではなかなか男性のコミュニティメンバーの協力が得られず、何度も話し合いを重ねてきましたが、なかなか改善されません。診療終了後ヘッドマンの長(シニアヘッドマン)を訪ね、協力をお願いしました。

23日はルアノでの巡回診療。ルアノに向かう途中、昨年購入したランドクルーザーの左前輪がはずれ、運転手が約1時間かかり、ハブを外して応急処置をして無事にルアノに到着できました。患者数は53名と少なく、マラリア陽性は50名中5名、下痢や結膜炎の患者が多くみられました。

ニャンカンガで2基、ルアノで2基の井戸の水質検査の結果出て、ニャンカンガ、ルアノの1基ずつは、細菌がわずかにみられました。ザンビア大学の水質検査の担当者からの指示で、11/22、23にそれぞれの井戸にクロリン500gを投与しました。この2基は、3-4週間後、再度水質検査の予定です。ニャンカンガのもう1基の井戸は特に問題なし。ルアノのもう1基は細菌が多数検出され飲料水として不適格で、再度掘削すると連絡がありました。23日巡回診療の途中、その井戸に出向きましたが、きれいな水が出ていて、再度水質検査のために水を採取しました。11/25にはその結果がでて、細菌は0で、飲料水として大丈夫との返事がもらえました。再掘削の必要はなく、井戸会社の社長さんと共に安心しました。

22日のニャンカンガに出向いた時に、トイレ建設が少し進んでいたのでほっとしました。

州・郡保健局が11/21から3週間マラリア蚊殺虫剤噴霧を開始するので、20日までしか噴霧用ポンプが借りられないことになりました。一番人口の多い地区、150家族以上が残っていて、どうしようか頭をかかえてしまいました。ザンビア人スタッフが11/17から11/20まで泊まり込みで作業をすると提案してくれてお願いすることしました。ルアノで診療を実施している倉庫兼集会所に6名が宿泊して実施することになり、私は同伴できないので、3泊分の食料などを準備して、祈る思いで2台の車を送り出しました。噴霧日が変更になり、準備できていない家があったり、車の調子が悪かったりといろいろあったのですが、20日昼過ぎには無事にルサカに戻ってきました。160家族、294戸に噴霧を実施したのです、ルアノで合計229家族、406戸に噴霧を実施したことになります。ルアノをご存じない方には想像もつかないと思いますが、あの道路状況の悪い広大なルアノ地区の全村に噴霧を実施するなど、これはもう奇跡です。私は、巡回診療やいろいろな活動ができるのはザンビア人のがんばりのおかげだと心から思います。まじめに懸命に仕事をしてくれるザンビア人スタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。

噴霧後1-2か月子供は家の中に入れないなどの誤った情報が流れたり、はっきりとした理由は言われずに噴霧を拒否された家が8軒、雨季の前で引っ越しの最中で屋根のない家に住んでいて噴霧ができなかったりと、いろいろな問題が出てきましたが、今後みんなで話し合って解決していこうと思います。今後のマラリアの患者の推移を注意深くみていくつもりです。

今回はトンプエの近隣のチサンバ郡ではない村14家族、18戸の噴霧も実施しましたが、みなさんとても厳しい状況で生活していることがよくわかりました。空き家になっている家が多くみられ、なぜかと尋ねると水がないので、水を求めて移動していくのだと説明を受けました。医療サービスを全く受けられない家族もまだたくさんいます。ムワンタヤでの診療が無くなったので、月の第1週の水曜日はトンプエで診療を実施しようと計画しています。もちろん雨のために道路が通れなくなったら行けませんが、できる限りやってみようとみんなで決めました。

忙しく、毎日を過ごしています。雨季に入り、道路の状況がとても心配です。何とかみんなで力を合わせてがんばります。みなさま、お元気でお過ごし下さい。

syuある家の写真

シェレニ地区の井戸

ニャンカンガのトイレ工事

井戸に消毒薬クロリンをを入れている